道端工房 手作業綴り

日々の手作業と奈良の風景をつづっていきます。時々南紀の話題も(^^)

内田善美さんへの憧れ

アルフォンス・ミュシャを初めて目にしたのは、都内のデパートであったかと記憶しています。
ミュシャ展を見たとき、かつて漫画を描いていらした内田善美さんの絵が目の前に現れました。
あの美しさはこういう美術から来ているんだと初めて知った時です。

漫画家をおやめになられてからずいぶん年数が経ちますが、彼女の出した作品はどれもこれも色あせず芸術品となっています。
かなりの作品を手元に持っているのですが、いくつかはまだ手にすることが出来ていません。というよりもオークションなどでは高嶺の花となっていて、とうてい手が出せないというのが現実です。
そんな折、横浜の友人が作品全てを持っているとの話を聞き、手放す際にはぜひ譲ってもらうように頼みました。いつになるやらわかりませんが、遺言状にでもしたためておいてもらいたいものです(^_^;)
内田さんの描いていらした頃のりぼんは、大矢ちきさんや一条ゆかりさんらが華々しく描いていらっしゃいました。
同じ頃に萩尾望都さんや竹宮恵子さんたちが少女フレンドで活躍されていました。
りぼんに比べて少女フレンドは年上の少女が読むもので、その頃に執筆されていたポーの一族はちらっとしか読んでいません。萩尾さんにハマるのはまだ少し後のことです。
どっぷりと、りぼんに染まっていた子供時代は、内田さんは明らかに異世界の漫画でした。
あの頃は内田さんのイラストや漫画があふれていたにもかかわらず、その価値をよく知らずもったいないことをしたと思っています。

着物地を手に取りつつ、草迷宮の「ねこ」の振袖を思い出して、思わず内田さんの漫画を記憶の中で辿ってみました。